住友金属鉱山は、住友グループの源流事業を継ぐ企業として430年以上の歴史を持つ総合非鉄金属メーカーです。1590年に銅製錬と銅加工の事業で創業し、さらには1691年に別子銅山(愛媛県)の稼行を開始。以来、資源・製錬を軸足に事業展開をはかり、1983年には菱刈鉱山(鹿児島県)の開発を始めました。菱刈鉱山は現在も、商業採掘を行う日本唯一の金鉱山として操業を続けています。
菱刈鉱山の特長は、世界有数の高品位な鉱石にあります。鉱⽯1トン中に含まれる金の量(品位)は、世界主要金鉱山では約3~5gですが、菱刈鉱⼭では平均約20 gと高品位を示し、世界でも優良な金鉱山として知られています。江戸時代から約400年続いた佐渡金山の産金量は約83トン。菱刈鉱山では約40年間の操業で産金量は265トンを超え、圧倒的な産金量を誇っています。
「金」といえば、宝飾品や投資商品を思い浮かべる人も多いと思いますが、人類の歴史の中で不変の価値があるものとして特別な扱いがされてきました。金には、溶けない・錆びないという性質があり、産業分野でも非常に重要な役割を果たしています。また、電気を通しやすい・伸ばしやすいなどの特徴もあり、スマートフォンや電化製品をはじめ、幅広い産業分野で使われています。
菱刈鉱山が見据えるのは「100年続く鉱山」です。そこには、2つの企業使命があります。1つ目は、地域における雇用の創出を長く続けること、2つ目は国内唯一の金鉱山である菱刈鉱山を日本における鉱山技術者の育成の場として長く機能させること。そのために最先端の鉱山機械の導入やDX推進による坑内環境のさらなる改善に取り組んでいます。